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場面緘黙症(選択性緘黙)

場面緘黙症(選択性緘黙)と言われた。発達障害?対応策と改善方法
目次

場面緘黙症について

「場面緘黙症」というのは、ご自宅のようなリラックスして過ごすことができるところではお話ができるのに、学校や仕事場など、人々が集まる場所では声が出なくなる状態が1ヶ月以上続く場合のことを指します。

医者が診断をするときは「選択性緘黙」という名前を使うこともあるのですが、これだと「話す場所を自分で選んでいる」と誤解されることがあります。だから「場面緘黙症」と呼ばれることが多くなりました

子どもが「場面緘黙症」になり始めるのは、大抵は2歳から5歳の間です。その頃になると、自分の気持ちを言葉で伝えることが重要になるからです。この「場面緘黙症」、1000人〜数百人に1人の割合でいるとされています。だから、学校には必ず1人はこの症状を持つ子どもがいるかもしれません

この「場面緘黙症」は「発達障害」の一つとされています。また学校教育では「情緒障害」と呼ばれ、特別な学級で支援や教えを受けられます。「ことばの教室」と呼ばれる場所でも、専門的な指導を受けられます

ただ、この「場面緘黙症」が出てくる原因は、一つだけとは限りません。その子が元々持っている性格や特徴と、周りの環境との絡み合いによって、症状が出るとされています。「ことば」をうまく使うことが難しかったり、しゃべることが怖かったり、人とのやりとりが苦手だったりすることが多いですね。また、自閉スペクトラム症の特徴を持つ子どもにも、この「場面緘黙症」はよく見られます

この症状があると、集まりの場などで自分の気持ちを伝えるのが難しいことがあります。、お家で普通に話している子が学校で声を出せないことに、親御さんが気づかないこともあるんです。「おとなしい子」と思われがちなので、必要な支援が受けられないこともあります。

場面緘黙症の現れ方の多様性

場面緘黙症の子どもたちは、その症状を表す仕方が一人ひとり違うことがございます。話すことができる程度や、その場所もそれぞれに異なります。ある環境では無口になったり、年齢と共に成長してその症状が強く感じられたり、逆に軽くなったりと、変動が見られることもあります。

幼稚園・保育園や学校といった集団の中では、先生や友だち全員と話すことができない子が多いのですが、中には特定の先生や友だちとだけは会話ができる子もいます。また学校の建物を出た瞬間、声が出るようになる子もいます

症状の程度と反応の仕方

質問をされたときや誰かと会話するとき、頷いたり首を横に振ったりして返事をする子もいますが、それが難しいと感じる子もいます。症状が強いと身体が固くなってしまったり、動きが止まってしまったりすることもあります

幼児期の症状と反動

そして幼児期では、幼稚園・保育園に行くのを嫌がることがしばしば見られます。また園では平穏に過ごしているように見えても家に帰ると突然大声で泣いたり、落ち着きがなかったりすることがあります。それは園で抑えていた感情が家で一気に出てしまう反動の表れと考えられます

まとめ

  • 場面緘黙症の子どもたちが示す症状やその程度は一人ひとり異なり、成長や環境によって変化する
  • 集団の中で話すことが難しくても、特定の人となら話せることもある
  • 学校の外に出ると声が出る子もいる
  • 質問に対する反応の仕方も様々で、身体が硬くなる、動けなくなるといった症状も見られる
  • 幼児期には、幼稚園・保育園に行くのを嫌がることがあり、園で無事に過ごした後に家で反動を見せることもある

場面緘黙症のお子様との適切な向き合い方

お子様がまだ幼稚園・保育園に行く前から、人といるときにじっとしてしまったり、ほかの子と遊ぶのが緊張しちゃうなんてことがあるかもしれません。これが場面緘黙症のひとつのサインです。このような状況を早く見つけてあげると、お子様が場面緘黙症になるのを防げるかもしれません

就園前のケア

健診などで場面緘黙症のサインを見つけたら、幼稚園・保育園やお家の人たちと一緒になって、お子様を支えましょう。これは、お子様が急に新しい環境に置かれて、ビックリしないように、ゆっくりと慣れる時間を持たせるための大切なステップです

幼児期のケア

幼稚園・保育園に行き始めたら、お子様が安心して過ごせる環境を作ることが大事になってきます。場面緘黙症の子どもたちは「話せる場所」や「話せる人」があると、だんだんと話すことが楽になっていきます。だから無理に話させようとするよりも、お子様が安心して話せる環境を作ることが大切です

幼稚園・保育園の活動がお子様にとって大変な負担になっていると感じたら、保護者の皆様と園の先生たちが一緒になって、「帰る時間を早くする」「お昼寝の前に帰らせる」「ご飯を食べる前に帰らせる」といった対策を考えてみましょう

4歳からの対応

4歳くらいになると、多くの子どもたちは自分が話すのが難しいことを自覚するようになります。「他の子たちは私を『話さない子』だと思っているかも…」と感じることも出てくるかもしれませんね。そのようなときには、保護者の皆様が優しく話しかけてみると良いです

小学校への移行

そして小学校に上がるときには、幼稚園・保育園と小学校がしっかりと連携を取ることが必要になります。もし、お子様が「話せるようになりたい」と思っているのなら、ゆっくりとしたサポートで小学校生活に移行させることが、お子様が話せる状態で新しい生活を始めるための良い方法です

選択性緘黙症

お子さまが人前では言葉を出すことが難しくなる「選択性緘黙症」、または「場面緘黙症」。この病気は、幼い頃から起こりやすいものとされています。ほとんどの場合、5歳より前にこの病気の兆候が見られます。「選択性緘黙症」という病気は、人々の間にはあまり広まっていないため、その存在を知らない方も多いかもしれません

選択性緘黙症の改善

選択性緘黙症についての大事な点として、年齢が上がるにつれて、この病気がよくなる、または軽くなる可能性があるということを覚えておきましょう。ただし完全に治るとは限らず、大人になっても症状が続く人もいます。そのため、早めの発見と適切な対応が大切となります

学校生活での選択性緘黙症

多くの場合、幼稚園・保育園や小学校での生活が始まると、お子様が選択性緘黙症の症状を示すことに気づくことが多いのです。先生の前で話すのが難しかったり、友達と遊ぶのが怖かったりするなど症状はさまざまです。そして、その結果、言葉の習得が遅くなったり、人間関係がうまく築けなかったりすることがあります

選択性緘黙症の特徴

選択性緘黙症のお子様は、家や親しい人の前では普通に話すことができます。このことから家族が理解していると、お子様も安心して話すことができます。しかし学校や他の人の前で話せないことから、からかわれたり否定的な意見を受けたりすることで、心が傷つくこともあります

選択性緘黙症になりやすい要因

選択性緘黙症になる原因ははっきりしていませんが、親が過保護であったり親が人との交流が少なかったり、親が人見知りであることなどが関連している可能性があります。また選択性緘黙症のお子様が柔軟な対応をしにくい傾向があるのも事実です

【場面緘黙症とは性格ではありません】

場面緘黙症は、人々の前で自由に話すことが難しいという問題を抱える病気です。そのせいで、「ちょっと内気な子供」や「遠慮深い子供」と間違われることが多いのです。しかし、これは単なる個性や性格とは異なり、本人が思うように話すことができないという、本当に辛い状況が存在しているのです

この病気が誤解されやすい理由

場面緘黙症の子供たちは、大抵はおとなしいタイプの子供が多いです。そのせいで幼稚園・保育園などで特別問題を起こすことも少なく、その結果として病気ということに気づかれにくいのです。それはまるで、その子の「普通の性格」のように見えてしまいます

その一方で子供自身も自分がどうして話せないのか、理解できない場合が多いです。だからと言って「自分で話そうとしないから」という理由で誤解されてしまうこともあります。場面緘黙症は、特定の場所や状況で1ヶ月以上も声を出せない状態を指します

早期発見と早期支援の重要性

場面緘黙症は早く気づき、早く対策を立てることが大切です。それによって子供が抱える苦しみを少なくし、問題を解決する可能性が高まります。それは子供の未来のために、とても重要なことです

診断基準

診断基準とは何かについて深く理解する

一般的に、発達障害の診断を正確に行うためには、専門的な基準が必要となります。その中でも「場面緘黙」という状態を確認するためには、アメリカ精神医学会の「DSM-Ⅳ-TR」という基準が用いられます。また国際的な疾病の分類として「ICD-10」という基準もあります

DSM-Ⅳ-TRに基づく説明

  • 通常、子どもたちは特定の状況、たとえば学校などで話すことが期待される場面で、頻繁に話すことが難しいと感じます。しかし、それ以外の場所では、普通に話すことができるのです。
  • 「話すことができない」という状況が、学校の成績や仕事、さらには他人とのコミュニケーションを妨げてしまう場合もあります。
  • 状態が少なくとも1か月以上、続くことが求められています。ただし、新学期が始まったばかりの1か月間だけに限定するわけではありません。
  • 子どもが話さない理由としては、その状況において必要な言葉の知識や楽しさがないからではないとされています。
  • 他のコミュニケーション障害(吃音など)や広汎性発達障害、統合失調症などの精神疾患だけで説明することはできません。

ICD-10に基づく説明

通常の言語理解能力と、社会的なコミュニケーションを行うための言葉の能力があるにも関わらず、一部の特定の状況では話せないという病態を指しています。会話が感情に強く影響を受け、選択されることが特徴とされています。そして、一定期間話せない状態が続き話せる場面と話せない場面に一貫性があることが求められています

場面緘黙のお子さんを優しく支える方法

心をこめて、親御さんへお話をさせていただきます

あなたのお子さんが場面緘黙に見舞われている場合、どうやって対話を進めていくべきなのか、どうやってお子さんを助けることができるのか、ということについて考えてみましょう

  • お子さんが話せないとき、怒ったり責めたりしないであげてください。特に、お子さんが心配や不安を強く感じている時に、話すことを無理に求めないであげてください。
  • お子さんが返事をしなくても、優しく話しかけて続けてあげてください。また、気軽に一緒に遊びに誘ってあげてください。お子さんは返事を返すことができなくても、心の中でとても嬉しく感じていることでしょう。
  • 言葉を使わずに楽しむことができる遊びを一緒にやってみてください。もし、お子さんが文字を書くことができるなら、文字で会話するように促してあげてください。「はい・いいえ・わからない」のような簡単な答えが出せる質問から始めるのがおすすめです。

まとめ

  • お子さんを無理に話すようにせず、むしろ安心できる環境を提供してあげることが大切です
  • 返事が返ってこなくても、優しく話し掛けることを続け、お子さんを遊びに誘うことで、お子さんは安心感を得られることでしょう
  • お子さんと楽しむ遊びを見つけ、文字で会話できる場合は、そのように促してあげると良いでしょう

このように、心を込めて接することが大切となります。大人から見ると小さなことでも、お子さんにとっては大きな支えとなります。一緒にお子さんを優しく見守っていきましょう

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