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3歳児の発達障害:癇癪の理解と対応策

3歳児の発達障害:癇癪の理解と対応策
目次

発達の大切な時期としての「イヤイヤ期」

困惑しがちなイヤイヤ期。それは、お子さまの自我(自分自身を認識する力)が急成長する時期であり、親としては悩ましい時期かもしれません。しかし、これは成長の一部であり、お子さまの中で起きている大きな変化を理解し正しい対処をしていくことが重要となります

「わがまま」について理解する

「わがまま」とは、自分の思い通りにしたいという気持ちから生まれる行動です。このイヤイヤ期におけるわがままは、自我の急成長からくる自己主張の一部として捉えていただくと、お子さまの成長をより理解しやすくなるでしょう

「癇癪」を通じて感情を表現する

「癇癪」は感情が溢れてしまい、その結果として大声をあげたり、物に当たったりといった行動が見られます。これもまた言葉での表現が難しい幼少期の特徴であり、フラストレーション(達成できないと感じる不満やストレス)が高まるイヤイヤ期にはよく見られる行動です

適切な対応と、限度を見つけることの重要性

このようなイヤイヤ期の特徴は、自己認識や自己表現の成長における必要なステップであり、適切な対応が求められます。しかし行き過ぎたわがままや癇癪に対しては、それが環境によって養われてしまう「偽イヤイヤ期」の可能性も考慮し、適切な範囲を見つけることも重要です

家庭のルールとの関連性

泣くとお菓子をもらえるといった家庭のルールが曖昧な場合、お子さまは自分の思い通りになるという認識を持つ可能性があります。その結果より大きな癇癪を起こすなど、問題行動が増えることもあります

ポイント:「自我の成長」か「単なるわがまま」かイヤイヤ期とは

子どもが自我を形成する大切な時期です。一見すると、わがままな行動や頻繁な癇癪が問題行動のように思えますが、これらの行動の背後には自我の成長という大きな意味があります。ただし、子どもがただわがままを通しているだけであるか、それとも自我の成長の一環として必要な自己表現をしているのか、区別することが重要です。単にわがままを通しているだけであれば、それは親として対処するべき問題行動です

その対処方法としては、以下のポイントを考えてみてください

  1. 一貫性:子どもには一貫したルールや期待を示すことが重要です。これにより、子どもはその行動が受け入れられる範囲を理解することができます。
  2. 感情の表現のサポート:子どもがフラストレーションを感じたとき、それを適切に表現する方法を学ぶのを支えてあげてください。これには、「怒っているね」「悲しいんだね」など、子どもの感情を言葉で共有することも含まれます。
  3. 肯定的な関心:わがままな行動や癇癪を起こしたときに注意を与えるだけでなく、子どもが適切な行動をとったときに肯定的なフィードバックを与えることも重要です。これにより、子どもは適切な行動が報われることを学びます。

家庭でできる対策

一貫性とは何か

「一貫性」は、言い換えると「絶えず変わらない様子」を指します。お子様がおもちゃを片づける際のルールが毎日変わらないということが一貫性です。毎日のルールが一緒だと、お子様は何が期待されているのかを理解しやすくなります。

3歳児の一貫性についての家庭での改善策

3歳児に対して一貫性を持つための改善策を考えるとき、主に次の2つの点を考慮すると良いでしょう

  1. 明確なルールの設定 子どもに一貫性を持たせるための最初のステップは、明確なルールを設定することです。「遊んだ後はおもちゃを片づける」や「ごはんを食べるときはテーブルで座る」など、単純でわかりやすいルールを設定します。これらのルールは毎日変わらないようにすることが重要です
  2. ルールの遵守 明確なルールを設定したら、次に大切なことはそのルールを守ることです。お子様がルールを破ったときは、その場で適切な対応をします。「おもちゃを片づけないと次に遊べないよ」と教えてあげます

感情の表現とは何か

感情の表現とは自分が今、何を感じているかを言葉や行動で示すことを指します。お子様が怒ったり悲しんだりしたとき、それを適切に伝える能力は大切な生涯のスキルです

3歳児の感情の表現のサポート

3歳児に対して感情の表現をサポートするための改善策として、以下の3つの点を心がけてみてください

  1. 感情の言葉を教える まず、お子様が自分の感じていることを言葉にする手助けをしましょう。「今、お腹が空いているから泣いているんだね」や「お友達におもちゃを取られて、悲しいんだね」といったように、感情の言葉を具体的な状況に結びつけて教えます
  2. 自分の感情を表現する そして、大人自身が自分の感情を適切に表現することも大切です。親自身が感情を適切に表現すれば、お子様はその姿から学びます
  3. 感情を大切にする 最後に、お子様の感情を大切にすることが必要です。無視したり、否定的な反応をしたりするのではなく、感情を認めて理解しようとする姿勢を持つことが大切です

お子様がイヤイヤと言う理由について

「嫌だ!」と自身の意思を伝え、反対や逆らう行動を示す時期を、「イヤイヤ期」と呼びます。ここでは、なぜお子様がイヤイヤ期に突入し、その特性について詳しく説明いたします

3歳児のイヤイヤ期とは?反抗期が起きる理由

通常、2歳頃からお子様はイヤイヤ期を迎えます。それは言葉や理解力、好奇心が育ち、自我というものが芽生え始めるからです。自我とは、自分自身を意識し、自分の思うままに行動しようとする気持ちのことです

もしも私たち大人が思う通りにならない状況に遭遇しても、気持ちを抑え言葉で表現できます。しかしながら、2〜3歳のお子様はまだ脳の成長途中です

「前頭前野」と呼ばれる、行動や感情を管理する脳の部分が完全には発達していないため、思う通りにならない事態に直面すると、イヤイヤという反応を示すのです

このイヤイヤ期は、お子様の成長を支える非常に重要な時間帯であり、その感情に対して寄り添い理解することが、子供の自尊心、つまり自分を好きになる感情を育てるには大切です

3歳児のイヤイヤ期の特性

2歳の頃と比較し3歳になると、お子様は自分の意見をより具体的に表現するようになります。「これが欲しい!」といった主張が多くなり、感情もはっきりと表現するようになります。そんな3歳児のイヤイヤ期の特性を3つご紹介いたします

  1. 親の思い通りにならない 3歳児は言葉が豊かになり、「この服が嫌だ!」「これは食べたくない!」といった具体的な意思表示をします。また身体も大きくなり、そのために子供をあやすのも困難になります。一部の子供では物を投げたり、人に噛みつこうとするなど、癇癪も激しくなることがあります
  2. 大人の真似をするようになる お子様は2歳頃から性別を意識し始め、3歳頃からは大人の真似をするようになります。女の子はおしゃれに興味を持ち母親のお手伝いを始めることもあります。男の子は力強い遊びや乱暴な言葉遣いを真似することもあります
  3. 口答えが多くなる 3歳児は語彙が増え、大人との会話が可能になり自分の主張をはっきりと言うようになります。憎らしく感じることもありますが、これはお子様の成長の証拠です。その成長を見守り、優しく受け止めてあげてください

肯定的な関心とは何か

肯定的な関心とは、お子様が良い行動をしたときにそれを認めてあげることです。これは、お子様が正しい行動をしたときにそれが報われるということを学ぶために大切な要素となります

3歳児の肯定的な関心

3歳のお子様に対して肯定的な関心を持つための改善策は、次のような方法が考えられます

  1. 良い行動をしたときには具体的な言葉で褒める「おもちゃを片付けてくれてありがとう。すごく助かるよ」といった具体的な表現を用いると良いでしょう。具体的な言葉で褒めることで、お子様は何が良い行動なのかを理解しやすくなります
  2. 良い行動を観察し、それを強化する お子様が適切な行動をとったときには、それを見逃さないようにしましょう。良い行動を見つけたら、その場で肯定的な言葉をかけることで行動を強化します
  3. マイナスの行動に対しては、適切な指導をする わがままな行動や癇癪(かんしゃく)が見られたときは、お子様がなぜそのような行動をしたのか理解し、適切な方法で指導しましょう

改善策

自我の芽生えとは何か

自我の芽生えとは子どもが自分の意志を持ち始め、自分で考えたり行動したりする力が芽生えることを指します。この時期は3歳頃になると特に目立ち始めます。「自分でやりたい!」と思うようになったり、「自分の意見を言いたい!」と感じるようになったりします。このような態度は反抗的に見えることもありますが、これは子どもの自立への一歩とも捉えることができます

3歳児の行動パターンと対策

お子様が自我の芽生えの時期になると、親御さんがどう対応すればよいのか戸惑うこともあるでしょう。そんなときに試していただきたい家庭での改善策をいくつかご紹介します

  1. 自我の芽生えを認めてあげる 「自分でやりたい」という気持ちを尊重してあげましょう。ただし、危険なことやルールを守るべきことについては、きちんと説明して理解させます
  2. 子どもの意見を尊重する 子どもが自分の意見を言いたがるのであれば、それを尊重してあげましょう。自分の意見が尊重されることで、子どもの自己肯定感が育まれます
  3. わがままな行動に対しては適切に対応する わがままな行動や反抗的な態度を見せたときには、落ち着いて適切に対応します。理由を説明し、必要であれば諭すことも大切です

わがままの原因と親の関与について

子どもがわがままになる原因の一つに、親の行動が影響していることがあります「すぐに用意しなさい」や「スケジュールどおりに動きなさい」など、子どもが親の都合に合わせることが多い環境では、子どもは親の指示に反発し、わがままな態度を取ることがあります

家庭でできる改善策

そのような場合、親が自分の行動を見直し、改善することで子どもの態度も変わることがあります。以下に具体的な改善策をいくつかご紹介いたします

  1. 子どもの意見を尊重する 子どもが何を考えているのか、どう感じているのかを尊重しましょう。親の都合ばかりでなく、子どもの意見や感情も大切にすることが大切です
  2. ルールやスケジュールを説明する 「なぜ早く準備をしなければならないのか」、「なぜスケジュール通りに動かなければならないのか」を子どもに説明しましょう。理由がわかると、子どもも納得して行動することが多くなります
  3. 子どもの自主性を育てる 「人に迷惑をかけない」、「集団行動」、「最低限の常識」は教えるべきですが、それ以外の部分では、子どもの自主性を尊重し、自由に考え行動できる環境を提供しましょう

3歳児のわがままへの対応法

子どもが3歳になると、「わがまま」が増えることがあります。その理由は、子どもが自己主張を始め、自分の意志を表現しようとするからです。ですから、「わがまま」は、子どもの成長の一部と考えることができます

そのため、親としては「わがまま」にどう対応するかが大切になります。具体的な対応法については次のようなものが考えられます

  1. 子どもの話をきちんと聞く 子どもが何を求めているのか、どう感じているのかを理解しましょう。時には、その背後にある気持ちや思いを見つけることが重要です
  2. 子どもの注意を適切にそらす 子どもがわがままを言う場面で、それが困る状況であるなら、子どもの注意を他のことに向ける技術が求められます。おもちゃや絵本など、子どもが興味を持ちやすいものを用意しておくと良いでしょう
  3. チャレンジさせること 「これは自分でやりたい」という子どもの気持ちを尊重し、自分でやらせてみることも大切です。それにより、子どもの自立心が育つとともに、自分でやることの難しさを理解する機会にもなります
  4. 理由をきちんと伝える 何かを断るときは、その理由を子どもに説明しましょう。「なぜダメなのか」を理解することで、子どもは納得しやすくなることが多いです

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