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知的発達症(知的障害)

知的発達症(知的障害)
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知的発達症(知的障害)

知的特性(知的障害)というのは、大人になる前の18歳までに知能や学習能力に問題が出てくる特性を指しています。具体的には、物事を順序立てて考える、問題解決のスキル、予定を組む能力、そして学習そのものがうまくいかない状態が続いてしまうのが特徴です

知的特性は、「知的機能」と「適応機能」の2つの視点から診断されます。まず「知的機能」とは、IQ(知能指数)を指していて、だいたい70以下の値を持つ人がこの特性を持つとされています。一方「適応機能」は日々の生活や社会生活で必要な行動や反応のことを指します

この知的特性の診断があると、特別な支援が必要な子供たちのための「愛護手帳(療育手帳)」を取得することが可能になります。この手帳を持っていると、さまざまな支援サービスを利用することができ、子供の成長を後押しします

知的特性はIQだけで判断されるものではありません。たとえば、IQが71~85程度と、知的障害とされる値よりは高くても、自己管理のスキルや社会的なサポートが不十分であれば、生活に困難を感じることもあります

子供が持つ知的特性は、数字だけで判断するのではなく、その子供の生活環境や周囲からの理解も大切に考慮するべきということです。知的特性を理解し、適切なサポートを提供することが、その子供がよりよく成長するための一歩となるのです

【知的発達症の特徴について】

知的発達症を持つお子さまは、以下のような特性が見られることが多いです。

  1. 言葉の理解が困難:言葉の意味を把握するのが難しいということを意味します。一言で言えば「何を言われたのかよくわからない」という状態です
  2. 文字や数字の操作に時間がかかる:読み書きや計算が得意でない、またはこれらの行為に時間がかかることを示しています
  3. 自分の思いをうまく伝えられない:自分の気持ちや考えを人にうまく話すのが難しいということを意味します
  4. 抽象的な概念の理解が困難:具体的なものではなく、思考や考え方など、見えないものを理解するのが難しいということを示しています
  5. 年齢にふさわしい人間関係の築き方が難しい:友だちや大人との関わり方が難しいということを意味します
  6. 社会性の習得が困難:人との交流で必要なマナーやルールを覚えるのが難しいということを示しています
  7. 運動が苦手で、不器用さが目立つ:これは、体をうまく動かすのが難しい、または細かい動作が得意でないということを意味します
  8. 幼さが目立つ言動:年齢に比べて言動が幼いということを示しています
  9. 日常生活の知識や技能の習得が困難:食事の準備や掃除、整理整頓、公共の交通機関の利用、病院への通院、薬の正しい飲み方、電話やインターネットの使い方など、日常生活を送るために必要な知識や技術を学ぶのが難しいということを示しています

発達障害の各段階とその説明

最重度

「ご挨拶も、微笑むこともなく、ふんわりと首が支えられず、目の焦点が合わない子供たちをご覧になったことはございますか?それは発達がとても遅れている状態で、最も深刻な段階と言えます。」

中度のケース

3歳になると、子供たちは自分の名前を呼びますし、シンプルな質問に答えることもできます。しかし、それが難しいと感じる子供たちは、発達が中程度に遅れている可能性があるのです。これらの兆候は、子供の健康診断で見つかることが多いです

軽度な状況

一見、発達に問題がないように見えても、友だちとの関わりや学校の勉強でつまずく子供たちは、軽度の遅れがある可能性があります。このような状態は、お子さんが学校に行き始めてから気づくことが多いです

知的障害の定義と診断について

知的障害の定義について

知的障害とは何でしょうか?それには、アメリカの精神医学界で使われているDSM-5というガイドラインがあります。また、WHOという世界の保健組織が作ったICD-10というガイドラインもあります。これらのガイドラインは、専門家が知的障害を判断するときに使われます。

日本の文部科学省や厚生労働省、さらにはアメリカの精神遅滞学会といった団体も、自分たちなりの定義を作っています。だから知的障害という言葉は、ちょっとずつ違う意味で使われることがあります。

定義の詳細

  1. ICD-10(WHOのガイドライン)

「ICD-10というガイドラインでは、知的障害を"精神遅滞"とも表現しています。言葉や動き、人との関わり方など、いろんなことがゆっくりとしか進まない状態を指します

これらの問題が生まれた時から始まっていて、子供の成長と共に続くものです。重要なのは、これらの問題が知的機能や日常生活に影響を及ぼすことです。

  1. DSM-5(アメリカのガイドライン)

アメリカのガイドライン、DSM-5では、知的障害を「知的機能障害」と定義しています。これはIQテストで70以下のスコアを出すこと、そして日常生活における適応行動の問題が2つ以上あること、を条件としています。これらの問題が18歳までに現れるということが重要です。

  1. 日本の文部科学省や厚生労働省の定義

日本の文部科学省や厚生労働省では、知的障害は"発達が遅れて、知的な機能が典型的な子供たちよりも低い"状態とされています。これは子供が学校の勉強や日常生活でつまずく原因になります。

知的障害の診断について

知的障害の診断は、医師や心理学者が行います。その過程で、子供の知的能力や日常生活での適応行動を評価するテストが行われます。IQテストはその一部ですが、それだけで診断が決まるわけではありません。子供の行動や日常生活での困難も考慮に入れられます。これらの問題が生まれた時から始まっていて、子供の成長と共に続くものであることが確認されます。

診断がつくと、その後の教育やサポートが始まります。知的障害のある子供たちは特別な教育や治療、サポートが必要です。それにより、彼らは自己実現や社会参加の機会を得ることができます。

【三歳の子供の健康診断における多くの判断】

皆様、普通に感じることですが、三歳の子供の健康診断では、知的障害や発達障害の兆候が見つかるケースが多いことを知っておりましたか。この健康診断では親御さんへのインタビューに基づき、様々な項目について問い合わせを行うのです。その際、言葉の習得速度、執着の強さ、集中力、活発さといった事柄を調査することも含まれています。お子様方自身には、自己紹介ができるか、大きさの違いを見分けることができるか、イラストカードを見て物の名前を言えるか、ブロックを使って同じものを作れるか、丸を描くことができるかといった単純なテストを受けていただきます。これらの評価を通じて、知的障害や発達障害の可能性を探ることが可能になります

なぜ三歳のお子様の時期に特徴が現れやすいのか

三歳の子供たちは、発達障害の特性が目立つ時期であると認識されているのです。幼稚園・保育園で集団生活を送ることにより、他の子供と異なる行動をとる子供に気づきやすくなるからです。特に集団から孤立してしまったり、友達との関係で困難さやトラブルが生じたりします。言葉の習得が遅かったり強いこだわりがあったり、活動量が多かったりといった特性も見られます

三歳児検診で確認される内容と目的

  1. 親御さんからの問診:これは、お子様の日常生活や発達についての情報を集めるために行われます
  2. 子供自身による簡単なテスト:自分の名前や年齢を言えるか、物の大きさを理解できるか、絵を見て物の名前を言えるか、積木で同じものを作れるか、円を描くことができるかなど、お子様の知的能力を評価するための簡単なテストです
  3. 発達障害の兆候のチェック:これらの情報をもとに、専門家は知的障害や発達障害の可能性を評価します

三歳の子供が発達障害の特徴を見せる理由

  1. 集団生活:幼稚園・保育園での集団生活は、他の子供たちとの比較を通じて異なる行動を取る子供を見つける機会を与えます
  2. 社会的な問題:友達との関係で問題が生じたり集団から孤立してしまうことなど、社会的な問題が発達障害の兆候となることがあります

知的障害は幼児期からわかるのか?

知的障害が明らかになる時期について

知的障害は、子供が小学校に入る頃に気づくことが多いです。なぜかというと小学校に入ると、学習の内容が難しくなり、子供たちの思考力や記憶力が試されるからです。しかし知的障害の兆候は、もっと早い段階、つまり幼児期にも見つけることができます。そのためには、自治体で行われている定期的な健康診断を受けることが大切です

知的障害の発見方法

知的障害を見つけるためには、定期的な健康診断が欠かせません。自治体では子供の発達をチェックするための健康診断を行っています。たとえば1歳半の健康診断、3歳の健康診断、学校に行く前の健康診断などがあります。これらの健康診断では、医師が子供の発達状況を確認し、発達が遅れている場合や何か問題がある場合には、それを親御さんに伝えます

知的障害の兆候

知的障害の兆候は、子供の年齢や発達の段階によって異なります。0歳の赤ちゃんの場合、以下のような兆候が考えられます

  1. ほとんど泣かない、あるいは逆に泣き止まない
  2. 離乳食を食べない
  3. 人の目を見ない
  4. 物事に興味を示さない
  5. 抱っこを嫌がる

1~3歳の子供の場合、次のような兆候が考えられます。

  1. 他の子供と遊ばず、一人で遊び続ける
  2. 言葉の発達が遅い
  3. 自分の思い通りにならないとパニックになったり、激しく怒ったりする
  4. 好きなおもちゃでしか遊ばない

このような兆候を見つけた場合は、専門の医師に相談することをお勧めします。知的障害のある子供たちは適切なサポートを受けることで、より良い生活を送ることが可能になります。そのため何か異常を感じたら、遠慮せずに専門家に相談しましょう

軽度知的障害の診断方法は?

軽度知的障害とは何かを確認し、どうやって診断するのか

軽度知的障害とは、思考力や学習能力が一般的な水準よりやや低い状態を指す言葉です。このような子供たちを理解し、サポートするためには、まず正確な診断が大切になります。

診断は主に専門的な知識を持つ医師や心理士が行います。そして、その診断は「問診」や「知能検査」を通じて行われます。どこに行けばいいのかわからないときは、まず最初に、地域の児童相談所や保健センターに声を掛けてみてください

問診について

問診とは、専門家が親御さんに、子供のこれまでの成長や生活の様子をたずねることです。たとえば、子供がどのように言葉を覚えてきたのか、幼稚園・保育園や学校でどのような行動を見せるのか、そして、1歳半健診や3歳児健診で何か指摘があったかなど、具体的な情報が求められます

また問診では、「行動観察」という方法も用いられます。これは子供が遊んでいる最中に、その動きや表情などをじっくりと見る方法です。これにより親御さんが普段気付かないかもしれない、微妙な行動の変化などを見つけることが可能となるのです

知能検査について

知能検査について説明しましょう。これは、子供の思考力や学習能力を具体的に把握するための手段です。その中でもよく使われるものは、「田中ビネー知能検査 V」、「新版K式発達検査」、「ウェクスラー式知能検査」です。

「田中ビネー知能検査 V」は、2歳から大人まで対応できる知能検査で、子供が楽しみながら取り組めるよう工夫されています

「新版K式発達検査」は、「姿勢・運動」、「認知・適応」、「言葉・社会」という3つの部分に注目して評価を行います。一般的にその年齢で期待される行動や反応が、どれだけ子供の行動や反応と一致するかを調べる方法です

「ウェクスラー式知能検査」は、全体的な思考力(IQ)だけでなく、個々の得意分野や困難な部分も見つけるための検査方法です。これは、年齢ごとに適した形で行われます

【田中ビネー知能検査の詳しい解説】

「田中ビネー知能検査」は、元々はフランスのビネー博士が開発したもので、日本に合うように何度も改良されてきた考える力を調べるための試験です。日本で知能検査と言ったらこれ、というほど有名で、一昔前までは「87年度全改訂版 田中ビネー知能検査」という名前で使われていました。それが2003年に新しく「田中ビネー知能検査Ⅴ」になり、内容も、1歳未満の子どもから大人まで考える力を調べられるようになりました。結果が一目でわかるシートを使って、今までよりも詳しく調べられるようになりました

この試験の大きな特徴は、何かというと、いろんな角度から考える力を調べることができるところです。考える力を、たくさんの小さい能力が集まったものと捉えるのではなく、すべてがつながっている一つのものとして調べられます。これはビネー博士がそう考えて作った試験だからです。

もうひとつの特徴は、「年齢尺度」というものが使われていることです。「年齢尺度」とは、子どもができたりできなかったりした課題の難しさに応じて、どの年齢に相当するかが示されているものです。これにより他の同じ年齢の子どもたちと比べて、自分の子どもがどれくらい順調に育っているのか、あるいは少し遅れているのかを見る手がかりになります

具体的にどんな感じかというと、例えば、問題の難しさによって1歳から大人までの年齢に分けられていて、それぞれに合わせた問題が用意されています

実際に試験をするときは、まず子どもの今の年齢にあった問題から始めます。そして、一つでも解けない問題があったら、もう少しやさしい問題を出します。全部の問題が解けたら、もう少し難しい問題を出す、というように進めていきます。このやり方によって、最終的には「精神年齢」というものが求められ、それをもとに「知能指数」つまり「IQ」という数値が出るようになっています

新しくなった「田中ビネー知能検査Ⅴ」では、試験の結果をシートに書き込むことによって、子どもの成長の様子を一目でわかる形にすることができます

この試験は、年齢範囲が2歳から大人までと幅広く、他の知能検査と比べると、やり方が簡単で、子どもも試験をする人も、時間的にも心配事が少ないところが特徴になっています

補足ポイント

  1. 「田中ビネー知能検査」はフランスのビネーが開発した知能検査を日本向けに改良したもの
  2. 1歳未満の発達から成人までの知能を測ることが可能
  3. 結果が一目でわかるアセスメントシートを採用
  4. 考える力を一つの統一体としてとらえる
  5. 「年齢尺度」により、子どもの発達状況を同世代と比較しやすく
  6. 年齢に応じた問題構成
  7. 2歳から成人までと幅広い適用年齢、精神的・時間的負担が少ない

新版K式発達検査について

「新版K式発達検査」という名前のテストは、元々は京都市の児童福祉センターが考えたもので、生後約100日から12~13歳までの子どもたちの成長をチェックするためのものでございます。このテストは時間が経つにつれてアップデートされており、最新版は2001年に発売されております。

この検査で何を評価するか

このテストは、お子様の成長のさまざまな面を観察し、その発達具合を見るためのものです。「動く力と姿勢」、「物事を理解し、適応する力」、「言葉を使う力と社会でのやりとり」の3つの大切な部分に焦点を当てて評価いたします。お子様が3歳を超えている場合、特に「物事を理解し適応する力」と「言葉を使う力と社会でのやりとり」に注目して評価を行います

テストの方法とテスト用具

テストでは、様々なツールや質問項目を使って、お子様の自然な行動を観察いたします。これらのツールや項目は長年の経験から生まれたもので、お子様にとってはただ遊んでいるように感じるものです

テスト項目と観察方法

テスト項目とは、お子様の行動を観察するために設定されたツールや指示を使った場面のことを指します。簡単なものから難しいものまで順に並べられ、お子様の成長具合に合わせて使われます。お子様が年齢に適したテスト項目の約半分をクリアできた場合、そのお子様は平均的な発達をしているとみなすことができます

テスト実施時の注意点

テストを行う際、検査者はお子様の行動や言葉、感情、人間関係などを観察し記録します。お子様が自分の力を十分に発揮できるように検査者が全力を尽くします。例えば、標準語の代わりに方言を使うなど、お子様が理解しやすい言葉を使うことがあります。一定の順番でテストを進めることが重要であり、それによってお子様の成長具合が正確に評価されます

お子様がテストの一部に困っている場合、検査者は一定の助けを提供することがあります。これはお子様の能力を過大評価しないように慎重に行われます。お子様がテストに疲れたり、不機嫌になったりした場合は、検査を一時的に中止することがあります

テスト結果の解釈とその後のステップ

検査結果は、お子様の現在の発達水準を示します。これにより、親御さんや教育者たちはお子様がどのエリアで支援が必要であるか、またどのエリアで優れているかを理解することができます

検査結果がお子様の年齢に比べて低い場合は追加のサポートや介入が必要かもしれません。その場合は専門家と一緒に適切な計画を作成することが推奨されます。反対に、お子様のスコアが高い場合は、その能力をさらに伸ばすための対策を立てることができます

新版K式発達検査の信頼性と有効性

新版K式発達検査は、信頼性と有効性が確認されているテストです。それは長年にわたる調査研究と改良を経て作られたものであり、日本の子どもたちの発達を評価するための信頼性の高い手段となっています

【ウェクスラー式知能検査の大まかな説明】

ウェクスラー式知能検査は、1939年にデイヴィッド・ウェクスラーさんが作った大切な検査です。この検査は人の年齢に合わせて三つの種類に分かれています

「WPPSI(ウィプシー)」というのは3歳10か月から7歳3か月までの子供が対象の検査で、幼稚園・保育園の子供たちが受けることが多いです

「WISC(ウィスク)」は5歳から16歳までの子供が受ける検査で小学生や中学生が受けることが多いです

「WAIS(ウェイス)」は16歳から74歳までの大人が受ける検査となっております

これらの検査は、全検査IQ(FIQ)、言語性IQ(VIQ)、動作性IQ(PIQ)の3つを見て、私たちの知能を数値で表してくれます

IQとは何か

IQというのは、私たちの頭の働きや知識を表す数値のことを言います。その数値が100だと「普通」、それより高いと「頭がいい」、それより低いと「頭の働きが遅い」を表すとされています。

具体的には、IQが80から120までは「普通」、70から79は「ちょっと遅い」、69以下は「頭の働きがかなり遅い」とされています。

言語性IQ(VIQ)について

次に、言語性IQ(VIQ)というのは、言葉を使った問題を解く能力を見るための数値です。例えば、過去に学んだことを使って考えたり、日常生活のルールを理解する力を見ることができます。

動作性IQ(PIQ)について

一方、動作性IQ(PIQ)は、言葉を使わずに問題を解く力を見る数値となります。未知の問題にどう対応するか、直感を使って解決策を見つける力を測ることができます。

WISC(ウィスク)とWAIS(ウェイス)の特徴

WISC(ウィスク)とWAIS(ウェイス)は、IQだけでなく、他の4つの能力も見ることができます

言語理解指標(VCI)

「言語理解指標(VCI)」というのは、あたらしい言葉を知ったり、人から話を聞いて理解する力をチェックします。先生から教えてもらった新しい単語をどれだけ覚えているかや、お話を聞いて内容をどれだけ理解できるかを見るのです

知覚推理指標(PRI)

「知覚推理指標(PRI)」というのは、目で見た情報をどう理解するか、物事のつながりをどう組み立てるかを測るものです。絵を見てその意味を理解できるか、パズルのピースをつなげて全体の絵を作り出せるかを見るのです

ワーキングメモリー指標(WMI)

「ワーキングメモリー指標(WMI)」は、ちょっとした情報を一時的に頭の中に入れておく力、言い換えると、「今」必要な情報を忘れずに覚えておく力をチェックします。、先生が言ったことをすぐに覚えて、すぐに宿題をするときなどに役立つ能力です

理速度指標(PSI)

「処理速度指標(PSI)」は、情報を素早く捉え、処理する力を見るものです。、問題を早く読んで解く能力や、何かを早く見つけ出す能力などがこれに該当します

【幼児期の成長の目安と知的発達のチェックポイント】

私たちが幼稚園・保育園で子どもたちの成長を観察するとき、いくつかの大切なチェックポイントがあります。

1歳半健診における観察項目

1歳半という年齢に達すると、子どもたちはおもしろいものに指を指したり、「パパ」「ボール」などと言うようになります。この時期の健診では、次のような行動を観察します

  • 自分の気持ちを伝えるために、2つ以上の言葉を組み合わせることができるか。
  • アイテムの名前を認識し、それを指させることができるか。
  • 自分の名前が呼ばれたときに反応してこちらを見つめるか。
  • 「このぬいぐるみを持ってきて」といった指示に応じることができるか。

3歳の子供の成長のチェックポイント

3歳という年齢になると日常の簡単な会話ができるようになり、さらに社交性や記憶力、注意力も増してきます。この時点での健診では、次のような行動に注目します

  • 自分の年齢や名前をちゃんと伝えることができるか。
  • 「ママ、おなかすいた」など、2つの単語を組み合わせて話すことができるか。
  • 頻繁に質問をするか。

5歳または就学前の成長の確認項目

5歳になると、言葉を使う力や理解力、記憶力、人との関わり方などが増してきます。この時期の健診では次のような行動を観察します

  • じゃんけんのような遊びのルールを理解し、それに従うことができるか。
  • 数字を正確に数えることができるか。
  • 「大きな犬」と「小さな犬」のように、大きさを比べることができるか。

乳幼児期に見られる知的障害の可能性を示す行動

0歳の赤ちゃんに対する知的障害の診断は難しいですが、以下のような行動が見られた場合、知的障害の可能性があるかもしれません

  • 泣くことが止まらない、あるいはほとんど泣かない
  • おかゆや野菜などの離乳食を食べたがらない
  • 人の目を見ることがない
  • 物事に興味を示さない
  • 抱っこされることを拒む

1歳から3歳の間に見られる知的障害の兆候

知的障害がある可能性がある場合、1歳から3歳の間に次のような行動が見られることがあります

  • 他の子どもとあまり遊ばない、または常にけんかをする
  • 言葉の発達が遅い
  • 特定のおもちゃでしか遊ばない
  • 自分の思う通りにならないと、すぐにパニックになったり、癇癪(かんしゃく)を起こす

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