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吃音症

吃音症(どもり)
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吃音症(どもり)

「吃音症」は、普通に話すことが難しくなる状態を指す言葉です。これは声がなかなか出ない「難発」、声が長く伸びる「伸発」、同じ音を何度も繰り返す「連発」などの症状が見られることによります

吃音症の原因はまだはっきりとは解明されておりません。お子さまの努力の度合いや保護者の子育てのスタイル、幼稚園・保育園での人間関係が原因というわけではないことをご理解いただきたいと思います。この吃音症は、お子さまが急にたくさんの言葉を覚えるようになる2歳から4歳の間に、10人から20人に1人の割合で見られることがあります。たくさんのお子さまが成長と共にこの症状が改善するとされていますが、中には大人になっても吃音症が続いてしまう方もいます

吃音症の特徴

吃音症が具体的にどのようなものなのか、例を挙げながら説明させていただきます

1つ目は「難発」です。これは言葉がつっかえてなかなか出てこない状態を指します。「・・・ぼく、ね」という感じです。

2つ目は「伸発」です。これは言葉が長く伸びてしまう状態を示しています。「ぼーーーく、ね」という具体的な言葉の伸び方です。

3つ目は「連発」です。これは同じ音を何度も繰り返してしまう状態を指しています。「ぼ、ぼ、ぼく、ね」のような状態です。

このような症状が出る「吃音症」の原因として、愛情が足りない、ストレス、幼稚園・保育園でのトラブル、親の接し方が悪いなどが考えられることもありますが、それらは誤った解釈です。親御さん方も、これらの事柄が原因ではないことをご理解ください

吃音について深く理解する

吃音についてお話いたしますと、吃音の主な特徴としては、3つの大きな症状が挙げられます。

  1. 連発(例えば「あ、あ、あ、あ、ありがとう」のような形で)
  2. 伸発(例えば「あーーーーりがとう」のように、音を長く引き伸ばす)
  3. 難発(例えば「・・・・ありがとう」のように、なかなか言葉が出ない)

これらの症状を、吃音における核心的な症状と言えます。これらの症状が出てくる順番には、一定のパターンが存在します

吃音が初めて現れるとき、最初に見られるのが「連発」の症状となります。連発とは、同じ音を何度も繰り返してしまうことを指します。頭文字を繰り返すというのが一般的に考えられがちですが末尾の音を繰り返すこともあります

その次に現れる症状としては「伸発」があります。伸発というのは、音を長く引き延ばすことを指します。「ありがとう」というフレーズで言えば、「あーーーーりがとう」というように、音を伸ばすことです

そして、連発と伸発の後に見られる症状が「難発」です。難発とは、一番初めの音がなかなか出てこない状態のことを指すのです。難発が起こる理由としては、吃音の人が連発や伸発を避けようとするあまり、結果的に難発になってしまうとされています

また難発の状態になると、話すたびに力を入れてしまう傾向があり、それが喉の辺りに違和感や息苦しさをもたらします。そして、その状況から抜け出そうと、足を踏みならす顔をしかめる体を揺らすなどの補助的な行動をとることもあります。これらの行動は「随伴症状」と呼ばれ、吃音の人が話す際に現れる特徴的な動作です。見ている側からすると、それらの動作によってスムーズに話しているように見えることもありますが、吃音の人自身は相変わらず大きなストレスを感じている場合が多いのです。これらの症状が見られる場合でも、適切な支援を受ける事をお勧め致します

【吃音についての自己確認(吃音セルフチェック)】

実際に、病院に足を運ぶときに似たような質問を受けるかもしれませんから、このチェックリストは予習としてもご活用いただけます。もしも、5つ以上の項目に当てはまるのであれば、幼稚園・保育園の先生に相談するか、信頼している小児科の先生に意見を聞いてみてください。

  1. 話をするときに、力が入ったり、緊張したりしますか
  2. 話す時に、手足を動かしたり、体を揺らしたりしますか
  3. 話す時に、顔をしかめるなど、顔の表情に変化が見られますか
  4. 他の人から、話し方や発音について指摘されたことがありますか
  5. 発音が難しい音がありますか
  6. 話す相手によって、言葉がスムーズに出ないことはありますか
  7. ある音を引っ張るように伸ばすことがありますか(「あーーーーりがとう」のように)
  8. 一つの言葉を何回も繰り返すことがありますか(「あ、あ、あ、ありがとう」のように)
  9. 1日や1週間のうちで、言葉がスムーズに出るときとそうでないときの差がありますか
  10. 話を始めるのに時間がかかる、または言葉が出にくいことがありますか(「・・・・ありがとう」のように)
  11. 人前で話すのを避けることはありますか
  12. 吃音が始まった原因やきっかけが思い当たることはありますか
  13. ご家族の中に、吃音の経験がある方はいますか
  14. 言葉を話している途中で、言葉が止まることはありますか

吃音の子どもとの関わり方について

吃音の子どもたちは幼少期には、自身の言葉が繰り返される程度であれば自分が特別と自覚することが少ないです。しかし自身の言葉が出にくい経験が重なると、言葉がスムーズに出ないことにストレスを感じるようになります

成長とともに吃音が強く出るようになり、小学校に進学すると他の子どもたちと自身が違うと認識することもあるでしょう。自分の発話が他者と異なることに気付いたり、他の子どもたちから吃音を指摘されたりすることで自覚は深まります

これらの経験から話すことが怖くなったり吃音が出ることを恥ずかしく感じたりすることもあります。特に「言葉がうまく出ない」体験が頻繁にあるほど、これらの感情は強まる傾向にあります

子どもが安心して話せる環境作り

吃音の子どもにとって、家は安心して自由に話せる場となるよう心掛けることが大切です。そのためには子どもの話し方に対する期待値を適切に保ち、ゆっくりと話す時間を提供することが重要です

アドバイスとしては

  1. 複雑な質問を控える
  2. 文章や表現を短く、シンプルにする
  3. 一度に多くの質問をせず
  4. 視界に入らない物事の説明を強要しない
  5. 話し方よりも話の内容を重視する
  6. 兄弟とは別に、ゆっくり話す時間を設ける
  7. 大人自身も子どもに対しゆっくりと話す

子どもを理解し受け入れる態度を育む

吃音の子どもと会話する際「スムーズに話せるように」というより「楽に話せる」環境を作ることが大切です

なアドバイスとしては

  1. 子どもが話す途中で話を中断させず話を代わりに話すことも避け子どもの話を最後まで聞く
  2. 話し方よりも子どもが伝えたい内容に耳を傾ける
  3. 話をやり直させたり話し方を修正しようとしない
  4. 「落ち着いて話す」といったプレッシャーを与えない
  5. 吃音が出ても心配そうな表情を見せない
  6. 吃音が出たからといって失敗だと感じさせず吃音が出ても内容が伝わったことや話すことが楽しかったことを子どもに伝え自信をつけさせる

大切なのは周りの大人たちが吃音の有無よりも、子どもが自分の意見や感情をきちんと伝えられたことを評価し成功体験を子どもに伝えることです

NGな対応

子どもが吃音を持つことがわかった時、保護者の皆様の中には「育て方に問題があったのではないか」と自分を責めてしまう方もいらっしゃるかと思います。しかし子どもの吃音が生じる原因は、保護者の方々の育て方に問題があったからとは一概には言えません

吃音を持つ子どもとの適切なコミュニケーション方法

吃音を持つ子どもとの会話で特に大切なことは「ゆっくり話せばいいよ」「落ち着いて話すんだよ」といった指導的な言葉を控えることであります。そういった指導的な言葉は子どもに余計なプレッシャーを与えてしまう可能性があります

また子どもが詰まりながらも一生懸命に話そうとしているときには、遮ることなく最後まで静かに聞いてあげることをお勧めいたします。その結果、子どもは自分の思いが伝わった喜びと話すこと自体の楽しさを感じることができると考えられます

さらに吃音が出やすい状況下では「具体的にどういう状況だったの?」といった複雑な質問や詳細な説明を求めることは避けるべきであります。そのような行為は吃音をさらに出やすくするかもしれません

友達に対しての接し方

会話する際、子どもが話している内容に心を傾け共に会話の楽しさを感じてあげることが肝心です。話す速度や話し方を指摘するのではなく、落ち着いた態度で子どもの言葉に耳を傾けることが重要なのです

子どもが思ったことを言葉にするのに困難を感じる時、大人が先回りして「それは○○っていうことかな?」と言葉を適切に補ってあげると良いです

自己肯定感を育てるためのポイント

吃音の問題だけに目を向けるのではなく、子どもが得意とする分野や彼らが活躍できる環境を設けることも大切です。子どもが成功体験を持つことで、自分自身を認め肯定する感情が育まれます。これにより自己肯定感が向上し、自信を持つことができます

周囲の子どもとの適切な対応

「個々の人には特有の特性があって、話し方もそれぞれだよ」という考え方を周囲の子どもにも適切な形で伝えることが望ましいです。もし「なぜ〇〇ちゃんはそんな話し方をするの?」という声があった場合は単に否定するのではなく、吃音について丁寧に説明することが大切です。

もし子どもがからかわれるような事態が生じた場合には、適切な対応を行い、子どもを守ることが求められます。話すことに困難を感じている場合でも、最後まで気持ちを落とさずに、優しく聞き続けてあげてください。「そうなのね」と共感を示す言葉を掛けてあげると、お子様も安心することでしょう。

吃音症の原因について

吃音症が何によって引き起こされるかは、まだよく知られておらず、数多くの調査と研究が行われているところです。頭の中で言葉を作る力や、言葉を発する力がうまく機能しないことが、その要因の一つであるとみられています。また、大切なお子さまがまだ話し始めたばかりの時期に周囲から話すことへの期待やプレッシャーが強すぎると、吃音症を発症しやすいとされています。きついしつけがある家庭のお子さまが吃音症になりやすいことからも生活のストレスが関与することがわかります。しかし、それだけが全ての原因というわけではありません

吃音症と感情の関連性

「話すのが怖いからつっかえる」とよく思われがちですが、本当は「話す時につっかえるから怖くなる」のが実情です。吃音症のせいで緊張したり不安になったりすると、それが吃音症をさらに悪化させるという悪循環が生じてしまいます。そのため親御さんとしては、お子さまが他の人と楽しく話せるように、話すことへの緊張や不安、恐怖を取り除く努力が求められます

身体的な原因について

神経や筋肉の問題、耳の問題など、体そのものの問題も吃音症の一因とされています。脳は正しく言葉を発する命令を出していても、口がその命令通りに動かないことで吃音になることもあるのです。耳の問題があると自分の声をうまく聞き取れないため、周りの人たちはその声を聞きづらく感じることもあります。

遺伝と吃音症

お父さんやお母さんが吃音症だと、お子さまも吃音症になる可能性が高いという統計結果もあります。遺伝が関係している可能性を完全には否定できないのです。しかし、お子さまが小学生になってから吃音症になった場合は、遺伝や体の問題が原因とは考えにくいです

吃音症に対する理解

そして、吃音症になったお子さま自身が、その問題を真剣に悩むことも少なくありません。吃音症がいじめの原因になることもあるからです。大切なのは家族がまず吃音症のことを理解してあげることです

吃音症と年齢

お子さまがまだ小さいうちは、10歳くらいまでに吃音症が自然に改善することが多いので、大きな心配は不要です。ただし、10歳を過ぎても中学生になっても改善しない場合は、吃音症の専門医に相談してみてください

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