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発達性協調運動症(DCD)とは何か

発達性協調運動症(DCD)
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発達性協調運動症(DCD)とは何か

発達性協調運動症、略してDCDとは、体のいろんな部分がうまく一緒に動くことが難しい状態のことをさします。この「体の部分がうまく一緒に動くこと」を、協調運動と言うのです。手と手、または手と目、足と手といったように、体の二つの部分が一緒に働くときの動きが、うまくいかないのが特徴です

DCDのお子さんは、自分と同じぐらいの年齢の子供たちが簡単にできる動きが、なかなかできないことがあります。例えば、絵を描くときに、紙にちゃんと線を引くことが難しかったり自分の靴のひもを結ぶことがなかなかできなかったりします。これは、それぞれの動きが思うようにコントロールできないからなのです

人間の動きの種類「粗大運動」と「微細運動」

人間の動きについてもう少し詳しくお話させていただきます。人間の動きは、大きな動きと細かい動きの二つに大別できます。これを「粗大運動」と「微細運動」と言います

「粗大運動」は、走ったり、跳ねたり、腕を振ったりといった大きな体の動きを指します。一方、「微細運動」は、指先を使ったり、目と手を連動させたりするような細かな動きを言います。お箸でお寿司をつかんだり、文字を書いたりする動きが該当します

そして、発達性協調運動症(DCD)のお子さんは、この「粗大運動」と「微細運動」のどちらか、または両方で困難を感じることがあります。お子さんによって、どの動きが難しいかはさまざまです

発達性協調運動症の特性「粗大運動」と「微細運動」の困難】

発達性協調運動症のお子さんが抱える困難さには、大きく二つのタイプがあります。それが「粗大運動」と「微細運動」の困難さです。

「粗大運動」についてお話いたします。これは、体全体を動かす大きな動きや、体の位置を整える動きが難しいことを意味します。、歩いたり、走ったり、飛んだり、物を投げたり、座ったり、立ったりといった動きが挙げられます。体全体をうまく動かすことが難しいお子さんは、こうした動きでつまずくことが多いかもしれません

「微細運動」について説明いたします。これは、指先を使う細かな動きや、小さい筋肉を動かす動きが難しいことを指します。ボタンをかけたり、ファスナーを閉めたり、ペンやハサミ、おもちゃや工具を使ったり、料理用具や食器を使ったり、物を掴んだり持ったりするといった動きです。これらの動きをうまく行うことが難しいお子さんも、発達性協調運動症の可能性があります

このように、発達性協調運動症では、大きな動きや細かな動き、どちらも同時に困難を感じることがあるのです。しかし、お子さん一人ひとりで困難さが異なるのが特徴です。だからこそ、お子さんが何に困っているのか、具体的に見てみることが大切なのです

発達性協調運動障害(DCD)の解説と日常生活での具体例

"協調"とは、私たちが生活をする上で、重要な役割を果たす能力なのです。これは身体全体を動かすスポーツや体育だけでなく、日々の暮らしの中で様々な行動をとるためにも求められます

協調性を表す4つの大きな能力

体を大きく動かす運動力

これは、自分の体全体を大きく動かすことが必要な能力のことを指します。ジャンプしたり、ボールを投げたり、走り回ったりといった行動に使われます。

こまかい手先の作業力

字を書いたり、色んな道具を使うことなどがこれに当たります。細かい筋肉の動きをコントロールする能力が重要となります。

目と手の連携力

これは、目で見た情報に基づいて手を動かす能力のことです。たとえば、飛んできたボールをキャッチしたり、バドミントンのシャトルをラケットで打つといった動作がこれに当たります。

姿勢を保つ力

体を適切な位置に保ち、その状態を続ける能力のことを指します

この4つの能力は、子供たちの日常生活の中でも多く必要とされます。

  • 着替え:ボタンやファスナーを開け閉めしたり、靴ひもを結んだりする時
  • 食事:箸やスプーン・フォークを使って食べ物を摘んだり、口の中で食べ物をかみ砕いて飲み込む時
  • 遊び:塗り絵や折り紙をしたり、ビーズを並べたり、自転車や三輪車に乗ったり、縄跳びをしたりする時
  • 道具の使い方:はさみや定規、コンパスなどの文具を使ったり、楽器を弾いたりする時
  • その他:落とさずに物を持ったり、他の人や物にぶつからないように歩いたり、きちんとした姿勢で座ったりする時

"協調"の発達が普通とは異なる場合、それは「発達性協調運動障害(DCD)」という可能性を示しています。これは、子どもたちの約5~6%に見られ、注意欠陥多動性障害(ADHD)とほぼ同じ割合です。自閉症スペクトラム障害(ASD)の約1%よりもはるかに多い数です。それだけに子どもたちが抱える可能性のある発達障害の中では一般的なものといえるでしょう

発達性協調運動障害(DCD)は他の発達障害と一緒に見られることが多く、特に注意欠陥多動性障害(ADHD)の子供たちの約30~50%、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子供たちの約80%に見られます。これも大切な特徴の一つとなります

世界中で注目されている発達性協調運動障害

発達性協調運動障害は世界中で関心を寄せられており、日本でも2016年に日本DCD研究会が始まりました。そして、その後、日本DCD学会という名前で正式にスタートしました。医療・福祉・教育など、いろんな分野の人々が集まっており、この問題に対する関心の高さを実感しました。世界的にも、発達性協調運動障害の子どもたちに焦点を当てた研究報告が次々と発表され、小児・発達障害の分野では話題の一つとなっています

発達性協調運動障害と向き合う

「発達性協調運動障害」は、自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)といった他の発達障害と併発することが多いと知られています。これらの課題を抱えている子どもたちは、発達性協調運動障害を理解することが重要となります

世界中の研究が進められる発達性協調運動障害

日本だけでなく、世界中で「発達性協調運動障害」の研究が進められています。特に、医療や教育の分野で子どもたちのサポート方法や治療法を模索しています。このような研究を通じて、発達性協調運動障害を抱える子どもたちがより良い生活を送れるようになることを期待しています

【DCDの特徴と対応方法(1歳〜6歳)

ある子が1歳から6歳までの間に示すDCD(発達性協調運動障害)の特徴を説明します。

言葉の発音が不明瞭

子供が話す言葉がはっきりしない、と感じたら、それはDCDのひとつの特徴かもしれません。ここでは、口や舌、そして息の出し方、さらに聞く耳が連携しないといけません。これを改善するためには、音を大きく発音する練習や、言葉のリズムを意識すると良いでしょう。

服の着替えが難しい

ボタンを留めるなど、細かい動きが苦手な子もいます。これは目と手の協調運動が必要となるからです。練習を重ねることで、少しずつ上達します。簡単なボタンから始めることも一つの手段です

トイレでの清掃が難しい

自分の体を思い通りに動かす、というのはなかなか難しいです。体全体、そして手、自分の体のイメージを持つ能力が必要となります。ここでも、練璒と時間が大切となります

遊具を使った遊びが得意でない

手や足、体全体の動きが必要な遊びが難しい場合もあります。具体的には、滑り台やジャングルジムなどが挙げられます。少しずつ挑戦し、体を慣らしていくことが大切です。

塗り絵がうまくできない

塗り絵が大きくはみ出してしまう、または塗ること自体が難しいという子もいます。これは目と手の協調性が問われます。クレヨンや筆を使って練習することが重要です。

階段の昇降が危なっかしい

階段を昇る、または降りるときに危なっかしい動きをする子もいます。これは、手と足、そして体全体のバランスが求められます。手すりを使いながら、一段ずつ慎重に進んでいきましょう。

よく転ぶ、手足を思うように動かせない

よく転んだり、手足を思うように動かせない子もいます。これは、足と手、そして体全体のバランスが求められます。ここでも、地面と自分の体との距離感をつかむ練習が大切となります

発達性協調運動症(DCD)の3歳児の練習

DCDの3歳児にとって、日々の遊びを通じて運動能力や協調運動を自然に身につけることが大切です

  1. 【積み木遊び】 積み木遊びは手先の使い方やバランス感覚を鍛えるのに役立ちます。積み木を積み上げることで、精密な手の動きと視覚の連携を学びます
  2. 【絵本を読む】 絵本を一緒に読むことで、指先を使ってページをめくる技能を鍛えることができます。また物語を理解する過程で、言語能力や認知能力も育てられます
  3. 【手遊び歌】 手遊び歌はリズム感や協調運動を鍛えるのに最適です。歌に合わせて手や体を動かすことで、運動と音の関連性を理解します
  4. 【ボール遊び】 ボールを転がす、投げる、叩くなどのボール遊びは、全身を使う運動となります。これにより、手足の協調性やバランス感覚を鍛えます
  5. 【シール貼り】 シールを紙に貼る活動は、指先の使い方を鍛えるのに有効です。シールを指で掴み、目的の場所に貼ることで、手と目の協調運動を学びます

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