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チック症

チック症かも?
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チックって何?

「チック」とは、ある動きや音を繰り返すことが特徴の症状を言います。この動きや音、それは子供が知らず知らずのうちに、目をパチパチさせたり、首や肩を片方に向けるなどの動きをしたりすることがあります。これは、ただの子供の習慣かもしれませんが、場合によっては「チック」という病気の可能性もあります

チックの発症年齢や性別について

子供たちの中には、10人に1人から2人の割合で「チック」の症状を見せる子供がいます。特に3歳から10歳の間になると、「チック」の症状が出やすくなる子供が多いことがわかっています。また女の子よりも男の子の方が「チック」になる可能性が高いとされています

「チック」の症状

「チック」の症状には様々な形があります。たとえば目を何度も何度もまばたきしたり、首を左右に振ったり、顔をしかめたりといった身体の動きがあったりします。これを「運動チック」といいます。また「アッ」「ンッ」のように短い音を繰り返したり、咳払いをしたり、鼻をすすったりする声の出し方も「チック」の症状となります。これを「音声チック」といいます

症状が少し深くなると、何度も何度も手を伸ばして物に触れたり、足で物を蹴ったり、突然跳ね上がったり、また同じ言葉を何度も繰り返したり、不適切な言葉を繰り返すことがあります

「チック」の症状の出方

「チック」の症状は、その子供によって出方が異なります。たとえば緊張を感じるときやリラックスしているときに、特に症状が出やすい子供もいます

「チック」の経過

「チック」の症状は、時間が経つと自然と改善したり、逆に悪化したりと、その状態が変化することがあります。大半の子供では、1年以内に症状が収まることが多いのですが、中には成人しても症状が続く人もいます。これは「トゥレット症候群」という名前の病気として診断されることもあります

そして思春期が終わると、大抵の場合、「チック」の症状は落ち着くようになります。ただし、その代わりに、他の強迫的な行動が出てくることもあると理解しておいてください

チックの発現について

「チック」、一般的には幼稚園・保育園の年長さんから小学校の低学年のお子さんに多く見られます。ほとんどの子は、1年もするとその症状はなくなると言われています。もし小学校のお子さんが「チック」の症状を見せていても、過度に心配する必要はないのです。全ての子どもたちのうち10%程度は一時的に「チック」の症状が出ると言われています。「チック」は意外とよく見られる症状なのです

「チック」の具体的な現れ方

「チック」が最もよく出るところは、まばたきだったりします。それ以外にも、頭や首を回したり、眼球を上に向けたりといった動きもよく見られます。このような大きな動きは、周りの人に指摘されたりからかわれたりする原因となることがあり指摘されることで症状が強くなることもあります。で本人自身も周りの人も、無理にその動きを止めようとせず、あまり神経質にならないことが大切なのです

周囲の人たちがあまりにも心配しすぎて、子どもたち自身がストレスを感じてしまうと、かえって「チック」が治りにくくなることがあります。「チック」のことを理解し「そのうち良くなるよ」と思う余裕を持つことが大切です

最初は単純な「チック」だけだったのに、動きが複雑になったり、不適切な言葉を繰り返す音声チックが出たりするようになったら、トゥレット症の可能性があります。その場合は、専門の医療機関、例えば児童精神科や小児神経科を受診することをお勧めします

トゥレット症について

トゥレット症、またはジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群とは、学童期の子どもたちの0.3%から0.8%に見られる神経疾患のことを指します。18歳未満で始まる「チック」の症状が、多様な動きと1つ以上の音声チックとして1年以上も続く場合に診断されます

もしトゥレット症と診断された場合でも、薬物療法や心理療法が効果的な場合が多いです。そのため専門家に相談しながら、最適な治療方法や対応策を見つけていくのが良いでしょう

まとめ

  1. チックは一般的には幼稚園・保育園の年長さんから小学校の低学年のお子さんに多く見られますが、ほとんどの子は1年でその症状がなくなります
  2. チックの症状が出ても、過度に心配する必要はありません
  3. 最初は単純なチックだったのが複雑になったり、音声チックが出るようになった場合は、トゥレット症の可能性もありますので、児童精神科や小児神経科を受診することをお勧めします
  4. トゥレット症は学童期の子どもたちの0.3-0.8%に見られ、治療方法も存在します

「心の病気」との見分け方について

症状が日々の生活の中でのストレスや不安により引き出されることがあり「心の病気」だと思われることもあるかもしれません。その影響で「子育てが上手くいかなかったからでは?」と自己責任を感じてしまう方もおられます。チックは「生まれながらにチックが出やすい頭の作り」を指しています。このことは「生物学的因子」と言います。多くの場合、これは遺伝と結びついています

「どなったらチックが出始めた」、「学校で嫌なことがあったらチックが出た」というように、ある出来事が後にチックの症状を引き起こすこともあります。ただ、これはあくまで発端であり、原因ではないという考えが一般的です

チックに対する対応

チックは子どもが意図的に行っているわけではなく、本人も気づかずに出てしまう行動です。だからといって怒ったり注意したりしても止められません。少しの間だけは我慢して止めることも可能かもしれませんが、長時間我慢し続けると辛くなり、疲れてしまいます。またチックが出ていることを強く意識すると、かえって症状が増えてしまうことも多いので、怒ることはあまり役に立ちません。「またやった」とか「やめて」と注意するのではなく、むしろ静かに見守ってあげましょう

特別な育て方は必要ない

学校よりも家でチックが出やすい子が多いのですが「だからといって家庭が問題なのか?」と思われるかもしれません。しかし、そんなことはありません。実際には、家は緊張を和らげる場所であるため、チックが出やすくなるのです。怒るとチックが増えることは一時的なことなので必要なときはきちんと注意することも大切です。テレビを見るとチックが増える子もいますが、これも一時的なことですので家庭ごとのルールに従って普通に見せても大丈夫です。「子どもに過干渉しすぎたかも」と思う場合は、少しだけ余計な心配を減らしてあげましょう

治療は必要ない場合もある

子どもが困っていなければ、治療をする必要はありません。「チックがあると学校でからかわれるのでは?」と悩むご家族もいますが、子どもが困っていないときに、先手を打って心配することは必要ありません。チックがあっても、そのことを気にせず、普通の生活を送れていれば問題ありません。チックが気になると人はそのことばかりを気にしてしまうかもしれませんが、「目をパチパチする癖がある」という部分だけでなく、「優しく思いやりのある○○くん」という全体像を見ることが大切です。子どもには「ちょっとした癖があっても、自分は大丈夫だ」と自己評価を持つことができるようにしてあげましょう

チックは大別すると2つのパターンに

お子さまがチックを示した際には何をしたらよいか、戸惑うことも多いかと思います。まずはチックについてしっかりと知識を持つことが大切なのです。チックは主に2つの型に分類することができます。その一つ目は、「運動性チック。これは身体の一部が自分の意志とは無関係に動いてしまうものを指します。二つ目は「音声性チック」、これは自分の意志とは関係なく音を出してしまうもののことを示しています

運動性チックの例

運動性チックにはさまざまな表現形がありますが、代表的なものは以下のようなものです

  • 瞼(まぶた)を強くパチパチと開閉する
  • 顔を歪める、まるで変顔をしているかのように
  • 全身をピンと張らせる、まるで緊張しているかのように
  • 頭を振る、まるで首をふるように

音声性チックの例

次に音声性チックについてですが、こちらもいくつかの具体例を挙げてみます

  • 咳を繰り返す、まるで風邪をひいているかのように
  • 短い声を何度も出す、まるでつぶやいているかのように
  • 鼻を鳴らす、まるで風邪をひいているかのように

以上がよく見られるチックの典型的な症状の一部です。これらの症状が一つだけ現れることもあれば、複数が同時に現れることもあります。これ以外にも自分の意志とは無関係に、短時間に起こる身体の動きや音を出す行為はチックと呼ばれます

チック症の対処法

穏やかな生活環境が鍵となる

チック症の対応について考える際、何よりも子どもの日常生活を壊さないことが重要です。つまり大人が過度に気にかけすぎず、普段通りの生活を送らせることが求められます。複数のチック症状が重なり合っていたり、行動に問題が見られる場合は、専門の医師にご相談いただくことをお勧めします。適切な対処により生活に差し支えが出ない程度に症状を管理することが可能となることもあるからです

叱らないで支える

大切なことは、チック症は子どもが意図的に行っている行動ではないという理解です。症状が出た時に叱ったり、注意したりすることは避けてください。もし、チック症状が日常生活を困難にしていたり、友達との関係作りに支障をきたしている場合は、保護者や幼稚園・保育園のスタッフと一緒に相談をすることも大切です。治療により症状を軽減できるケースもありますから、子どもにとって最適な選択肢を一緒に考えることが必要でしょう

生活リズムの見直し:日中の活動と睡眠時間の調整

チック症予防の観点から、日中の活動量を増やし、適切な睡眠リズムを確保することが大切です。歩行が難しい子に対しても支援を通じて可能な限り活動させることを心がけてください

合併症の存在:複数の症状への対応

チック症と併発する他の症状、いわゆる「合併症」についても認識しておく必要があります。例えば、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、睡眠障害、直立二足歩行が困難などの症状が引き起こされることがあります。これら複数の症状が見られる場合は、専門の医師の意見を求めることが肝心です

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